予算を作ること=PDCAを回す土台を作ること
予算とは、1年間の会社の数値目標を指します。

なんて言う人もいると思います。
しかし、予算はビジネスのPDCAを回していく上で必要不可欠です。
「何故予算を達成できなかったのか、どうやったら予算を達成できるのか」を考えることで、ビジネスを成功に導く成功要因を見つけることができ、ビジネスのPDCAを回す準備を整えることができます!
ポイント
<本記事を読むべき人>
- 気合いがあれば、なんかよく分からないけど、ビジネスは上手く行く!
- ビジネス上手く行ってないけど、原因や改善策が思いつかない
気合いは大事ですが、ビジネスのPDCAを回して、成功体験を再現するための要因や、失敗を繰り返さないための施策等を把握することも同じぐらい大切です。
(※ビジネスのPDCAの回し方については、また別の記事でご紹介します)
予算を作る際に抑えるべき3つのポイント:分解して考える
予算を作る際に抑えていただきたいポイントは以下の3点です。
これらのポイントを抑えれば、Excelを使えば誰でも簡単に予算を作ることができるようになります。
チェックリスト
- 利益を因数分解してみよう
- 売上を因数分解してみよう
- 費用を因数分解してみよう
利益を因数分解してみよう
利益を因数分解してみよう因数分解と聞いて、拒絶反応を起こす人もいるかと思いますが、むしろ学校で習った数学より簡単です!
利益を因数分解すると、以下のようになります。
ポイント
利益=売上ー費用
要するに、会社の売上から費用を差し引いて残ったものが利益ということですね。
しかし、これだけだと予算を作れないので、今度は売上と費用をどんどん因数分解します。
売上を因数分解してみよう
ここからは、売上の因数分解について、深掘りをします。
イタリアンのレストランの売上の場合…
売上=来店客数×単価何人お客さんが来て、いくらお金を使ってくれるのかで、売上が決まるということです。
来店客数は更に因数分解すると、以下のようになります。
ポイント
来店客数=座席数×1時間当たりの回転率×営業時間×営業日数
つまり、売上は以下のように因数分解ができます。
ポイント
売上=(座席数×1時間当たりの回転率×営業時間×営業日数)×単価
そして、これらの要素別に、今までの実績を基に、以下のように目標を設定します。
単価:1,200円以上の目標値に基づいた売上の予算は、以下のように設定することができます。
売上=20×80%×10×300×1,200=57,600,000円
因数の切り口は多種多様ですが、ビジネスのPDCAを行うことを見据えて、実績をトラッキング可能なものを選ぶことをお勧めします。
どうでしょうか。割と簡単に予算を作れることがご理解いただけたかと思います。
費用を因数分解してみよう
費用には、固定費と変動費という2種類があり、まず費用はこの切り口で因数分解することをお勧めします。
ポイント
固定費:売上が変動しても変わらずにかかる費用
一般的には人件費や家賃等が該当
変動費:売上の変動に比例して変動する費用
一般的には材料費や出来高給与等が該当
イタリアンのレストランの場合、例えば以下のように因数分解できます。
ポイント
費用=固定費+変動費固定費=人件費+家賃+水道光熱費変動費=原材料費
厳密なことを言うと、ビジネスではいろいろな出費がかさむので、もっといろいろな費用が出てくると思います。
自分の会社にあてはめて、費用を洗い出してください。さて、ここでは例に挙げた4つの費用について、実績に基づいた目標を設定していきます。
人件費:年12,000,000円
家賃:年3,600,000円
水道光熱費:月 年600,000円
原材料費:売上1,000円当たり400円
上記の仮定に基づいて、費用の予算を計算します。
固定費=人件費+家賃+水道光熱費
=12,000,000+3,600,000+600,000
=16,200,00円
変動費=57,600,000×(400÷1,000)
=23,040,000円
費用=固定費+変動費
=16,200,000+23,040,000
=39,240,000円
以上のように、費用の予算も設定することができました。これで会社の予算の設定は完了です。
ちなみに利益の予算は売上予算-費用予算で計算することができます。
よほど事業規模が大きい企業や、複数のビジネスを行っている会社でない限り、すぐに予算は作ることができます。
まだ予算を作ったことのない方や、なんとなくで予算を作っていた方が、この記事を読んで、この予算作りにトライしてもらえたら幸いです。