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新サービス構築の壁を乗り越える -ユーザーを理解し、顧客体験を作るということ

スタートアップ企業や新規事業が、新規サービスを作る上で「どのようにサービスを検討するか」「サービスを作ったけど、うまくいかない」という課題はよく聞きます。

新サービス構築するうえでの壁を乗り越えるために、”顧客を理解し、体験を作る”ということを紹介します。

ポイント

  • 成功するサービスを作るためには、”モノ”ではなく、”コト(=体験・意味合い)
  • ”コト(=体験・意味合い)”を作るために必要なのはユーザーへの深い理解

便利があふれている時代に、もう便利なサービスはいらない(プロダクトアウトはだめ)

戦後の日本経済における解決すべきニーズは根源的だった

日本の高度経済成長期は、戦後の余波を受け、便利なモノを作れば飛ぶように売れる時代でした。

その時代背景を受け、PanasonicやTOYOTAなどの日本を代表する大手メーカーは、改善に改善を重ねて便利なモノを作っていればよかったのです

これはマズローの5段階欲求でも説明ができて、戦後の日本経済では、“生理的欲求”と“安全欲求”という根源的な欲求(=ニーズ)に対応することがサービス開発に重要でした。

<マズローの5段階欲求における戦後のニーズ>

便利があふれた時代の到来。しかし、日本企業は改善を続ける

日本経済が豊かになり、日本国民の生活が豊かになりました。

冷蔵庫やレンジなどの家電は当然の生活インフラとして根付き、現在社会では小学生ですら一人に一台のスマホを持つ時代で、便利が溢れている時代の到来です。

便利が溢れているので、当然、マズローの5大欲求の根源的ニーズ(=“生理的欲求”と“安全欲求”)は満たされた状態で、より人間としては高度な欲求を満たすことが必要になりました。

Z世代やデジタルネイティブが出てきて、ニーズが喚起されていない世代、いわゆる”乾かない世代”と揶揄されたりもしている若者も出現しています。

今までモノを売って成功していた日本企業は目に見える形で荒廃し、プラットフォーマーであるGAFAやAlipayなどの顧客起点でビジネスを展開する企業に覇権を奪われてしまいました。

本日紹介するテーマである、顧客起点で考え、コト(=体験・意味合い)を作るということはどのようなことなのでしょうか

成功しているサービスは、”モノ”ではなく、”コト(=体験・意味合い)”を提供

一般的に言われている顧客体験・・・

企業でコトを検討する際は、”顧客体験”と表現をし、認知から購買、アフターセールスまでを可視化する場合が多く、Salesforceは以下のように定義をしています。

顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)とは、顧客が製品やサービスと接触し興味を持った時点から、購入して利用し続けるまでの、すべての企業との接点(顧客接点と呼びます)と、それらに基づき顧客が企業に対して持つ評価を指します。

引用:SalesForce 新しい時代の顧客体験

良くある誤解:想定される顧客のアクションを整理する

上記の定義から、”顧客体験を考えるのは、現状の顧客の行動を可視化すればよいのだろう”と考える方が多く、実際にビジネスの現場でもほとんどです。

例えば化粧品の顧客体験を検討している時に、前提とするユーザーに対し、「どんなSNS投稿してますか」や「どのような雑誌読んでますか」「どんなアプリ使ってますか」等ユーザーの価値観やコンテクストを全く理解していない場合が多いです。

使うこと・購買することの”意味”が顧客体験

ユーザーの価値観やコンテクストを踏まえて、一連の体験の意味を読み取り、そこに商品や体験を登場させ、彼・彼女らの体験をより良いものにすることが顧客体験を最適化するということです。

新サービスを作るときによくある失敗

(特に大企業で)新規サービスを検討する際によくある失敗として以下3点があげられます

新サービスを作るときによくある失敗

  • ユーザーは俺
  • 座組ドリブン
  • アセットを組み合わせたい(願望)

よくある失敗:ユーザーは俺

これが一番よくある失敗です(笑)

何が言いたいかというと、ユーザーのことを全然理解しておらず、理解しようともしていないという末期的な状態です。

  • 購買行動、生活の変化
  • 使用する商品・ブランド
  • 購買行動の裏側にある嗜好や欲求

性別が違ったりすると、想像しにくいかもしれませんが、ユーザーインタビューや調査を通じて、ユーザーを深く理解し、体験の中で意味付けすることが大切です。

よくある失敗:座組ドリブン

確かに座組やビジネスモデルから考えたくなるのは分かりますが、「A社とB社と組めば最強!!」という失敗です。

「誰に使ってもらうのか」がプロジェクトが開始されてから1年後になっても明確ではないケースも多々遭遇します。

よくある失敗:アセットを組み合わせたい(願望)

既存アセットを有している企業に多い失敗ですが、「取り合えず組み合わせたい」という謎の思考回路で新規サービスを作っていることがあります。

プロダクトアウトな考え方で、「良いものを作ったからきっと売れるはずである」という失敗です。

何億もかけて開発したのに、売上数千万だった・・なんてこともあります。

サービスを作る前に顧客を理解する:具体的な方法

失敗例を挙げてきましたが、ユーザーの価値観やコンテクストを踏まえて、一連の体験の意味を読み取り、そこに商品や体験を登場させ、彼・彼女らの体験をより良いものにすることが顧客体験を最適化するということです。

そのためにユーザーを深く

理解したい項目

以下3点を理解し、どのような価値観・動機を持っているかを理解することが必要です。

  • 購買行動、生活の変化
  • 使用する商品・ブランド
  • 購買行動の裏側にある自分の嗜好や欲求

具体的な調査方法

顧客を理解するためにとれる代表的な方法は以下3点があります。

顧客を理解する方法

  • アンケート調査
  • グループインタビュー
  • デプスインタビュー

 

まとめ:顧客を深く理解することでサービスが変わる

ここまで読んでいただいた方には十分理解されているかと思いますが、以下がとても重要です。

ポイント

  • サービスを作る上でメインの顧客を特定すること
  • 顧客を深く理解すること(どんな意味で顧客体験をつくっていくのか)
  • サービス・プロダクトが体験にマッチしているかをユーザーで検証すること

サービス開発でうまくうまく進んでいない方は顧客体験について考え直してみるのもよいかもしれません。

  • この記事を書いた人

Taka

コンサルティングファーム、ネット系企業を経験。経営戦略、事業構想、新規事業検討、顧客体験最適化などに強みを持つ。大企業 新規事業部立上げ・事業構想策定、大企業 デジタル変革(経営および組織改革)、IPOに向けた事業戦略・顧客戦略策定 など実績を持つ。

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