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IPOを目指す会社は必見!ROIC経営の基礎 ー投資効率の良い会社へ

近年、国内外の機関投資家は資本生産性を意識するようになっていて、今後はこの傾向がさらに強まることが予測されます。

資本生産性を噛み砕いて説明すると、「資本を如何に効率良運用(投資)して、収益・利益を生み出せているか」とくいうことです。

株主は会社の資本に投資をするので、資本生産性を気にするのは至極当然です。要するに、資本生産性が悪いと、「この会社にせっかく投資したのに、資本を無駄にしている!」と、投資家は考えるわけです。

今回は、投資家目線の経営・投資家対策とも言えるROIC経営について、紹介します! IPOを目指している方は、是非お読みください!

本記事を読んで得られるメリット

  • IPO後も投資家から評価されやすい! 投資家目線の経営を実践できる
  • 無駄な投資を削減! 投資効率を意識した経営が実践できる

では、ROIC経営を実践する上で重要な2点について、お伝えします。

  1. 誰でも分かる! ROIC経営の考え方
  2. あなたの会社にも導入できる! ROIC経営の仕組み

1. 誰でも分かる! ROIC経営の考え方

そもそも皆さん、ROICをご存知でしょうか。Return On Invested Capitalの略称です。「投資した資本に対して、どれだけキャッシュを稼げているのか」ということを表す指標です。続いて、ROICの計算方法を説明します。

ROICの計算方法

①ROIC=NOPAT÷(有利子負債+自己資本)←投資家目線を意識したIR用の計算式

②ROIC=NOPAT÷(事業資産-事業負債)←ビジネスの投資効率を意識した投資判断・評価用の計算式

ファイナンス用語がたくさん出てきて、焦ってる人がいるかと思いますが、一旦は「ふーん、こんな感じに計算するんだ」程度の理解で構いません。ここで覚えていただきたいのは、ROICは2つの計算方法があり、用途によって使い分ける必要があるということです。分母の計算式が異なりますが、どちらも投下資本を表しています。

このROICが良いか悪いかで、事業の投資効率の良し悪しが判別できるのです。めちゃくちゃ便利! 事業別にROICを比較することで、事業別に優劣を付けることができます。

ROIC経営の前提として、ROICは中長期的な視点で改善を目指すべき指標であること、成長期の事業は成長率も重要な指標なので、投資効率だけで評価するのは危険ということを覚えておいてください。

加えて注意していただきたいのは、事業別にBSを作らないと、ROIC(分母)を計算できないということです。資産や負債を事業別に色分けしなければならないのです。事業の多角化や規模の拡大が進んだ段階で、BSを事業別に分ける作業はとても難しいので、そうなる前に事業別にBSを作ることをお勧めします。ROIC経営を導入しようとする大企業は多いのですが、事業別のBSが作れずに、断念する会社もあります。

2. あなたの会社にも導入できる! ROIC経営の仕組み

ROIC経営の仕組みは大きく分けると、2つあります! 

1つは、会社全体で見たときの事業別のポートフォリオマネジメント、もう1つは、個別案件の投資判断・評価です。今回は、経営者にとって重要な事業別のポートフォリオマネジメントについて解説します。個別案件の投資判断・評価は現在価値という複雑な概念が出てくるため、今回は説明を割愛させていただきます。

事業別のポートフォリオマネジメントの活用で正しく事業を把握・アクションプランを作る

事業別のポートフォリオマネジメントですが、収益性(ROIC)・成長性の2軸のマトリックスで管理することが一般的です。

この2軸で各事業を評価して、マトリックス上にプロットしてください。そうすることで、事業別の特性を把握し、事業の特性に適したアクションプランを検討できるようになります。例えば、低収益・低成長の事業は改善または撤退を検討する、高収益・高成長の事業は投資を強化する等です。当然、高収益・高成長の事業には経営資源を積極的に投入すべきと考えられます。これは、経営サイドがよく用いる管理手法です。

一方、事業サイドは、このROICを最適化するための投資を行うよう、日々努力する必要があります。ROICをKPIとして、ROICを改善するために会社一丸となって頑張るように、事業サイドにも意識付けを行ってください。

また、投資をするからには撤退基準も設定しなければならなりません。例えば、「過去数年ずっと低収益にプロットされ、今後も改善の道筋が立たない」といった撤退基準が考えられます。要するに出血は早い段階で止めましょうということです。無駄な出血を抑えることで、その分また何か別の投資が行えるようになるわけです。

ちなみに、このROICの良し悪しを判断する基準として、WACC(Weighted Average Cost of Capital)という指標があります。

事業のROICがWACCを超えていれば、投資効率の良い事業ということになります。WACCは、借入や投資等による資金調達のコストを加重平均した指標です。WACCの計算式は以下の通りです。

WACCの計算式

WACC=(負債÷(負債+資本))×借入金利×(1-税率)+(資本÷(負債+資本))×株主資本コスト

今回は、「こんな感じで計算できるんだー」といったことを理解いただければ構いません! 以下の点だけ覚えてください。「WACCとは資金調達にかかるコスト! ROICがWACCを下回るということは、投資で十分なキャッシュ(投資に必要な資金調達コスト)を稼げてないということ!」

ROIC活用により、投資効率の良い会社へ生まれ変わる

ROICを導入することで、投資効率の良い会社へ生まれ変わることも不可能ではありません。

また、ROICを用いた株主への業績説明を行うことで、株主への説明責任を果たすことができます。今後普及する可能性の高い、ROIC経営ですが、実は国内で導入できている企業は多くないです。もし、ROIC経営に興味を持たれた方がいましたら、ROIC経営で有名なオムロンのHPを見てください。

今回の記事は以上になります。皆さんも投資効率の良い会社・株主から評価される会社を目指して頑張ってください!

  • この記事を書いた人

Orange

コンサルティングファームや銀行で勤務した経験があり、戦略やファイナンス領域にに強みを持つ。大企業の新規事業立ち上げ、ベンチャー企業のIPO等、様々な状況下での事業計画策定、PMIにおける組織再編、予算編成・業績管理の高度化・効率化などの実績をもつ。

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